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中性脂肪を減らし、心臓を元気にするEPA 矢澤一良 著 文庫サイズ・48頁 まえがき —— 中高年の「メタボリック・シンドローム」〈高中性脂肪・高血圧・高血糖・肥満〉を一掃 日本の65歳以上の高齢者数は、2050年には全人口の約36%に達すると推計されています。
1人の高齢者を1・5人の成人が支える超高齢社会がまもなくやってくるのです。
もはや長寿を手放しで喜ぶ時代は終わりました。
寝たきりや認知症の状態で長生きしても、苦痛を伴うばかりだからです。
幸い、現在の日本人の健康寿命(健やかに過ごせる人生の長さ)は、世界のトップに位置していますが、平均寿命82歳に対して、健康寿命は75歳(2003年度)。
つまり、人生最期の7年間は、何らかの障害を抱えて過ごすケースが多いのです。
この7年をいかに短縮し、健康なまま天寿を全うするか、これが今後の大きな課題といえます。
そこで、にわかに注目されはじめたのが「予防医学」です。
近代の医学は「病気になってから治す」ことに主眼が置かれ、強力な化学薬品が次々と開発されました。
ところが、病気の罹患者数は増える一方で、なかには化学薬品の副作用で症状が悪化したり、生命を落とす例も少なくないことから、一転、これまで軽視されてきた「病気になるのを未然に防ぐ」予防医学が見直されるようになったのです。
現代社会には、紫外線や排気ガス、食品添加物、精神的ストレスなど、病気を促す危険因子があふれているため、病気にならずに天寿を全うするのは容易なことではありません。
しかし、病気の発生は止められなくても、その発生時期を最大限に遅らせることができれば、健康寿命をより長く保てます。
これを実現するのが予防医学です。
特に40代以上の中高年層——この世代を、私は応援の気持ちを込めてピッカピッカの〜1年生ならぬ「熟年生」と呼んでいますが、熟年生の健康維持にはヘルスフードを用いた知的食生活がおすすめです。
食生活の基本は「六大栄養素(たんぱく質・糖質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維)をバランスよく摂取する」ことにあります。
そこにさらに適切なヘルスフードをプラスするのが、私の提唱する知的食生活。
これにより、健康寿命の延長に大変有利となります。
本書で紹介するEPA(エイコサペンタエン酸)は、ヘルスフードの代表です。
EPAは魚の油に多い脂肪酸で、化学的には合成できない天然の栄養素。
魚油の成分としては、すでに認知症や知能向上、心の病気に奏効するDHA(ドコサヘキサエン酸)が有名ですが、EPAはそのDHAの前駆体であるとともに、近年になって急増した虚血性心疾患やアレルギー、がんなどに対する独自の有効性が数多く報告されています。
また、EPAの薬効は医学的にも認められていて、日本では高純度精製されたEPAが「閉塞性動脈硬化症」および「高中性脂肪血症」の治療薬として医療現場で汎用されています。
さらに、2003年にはEPAを含む清涼飲料水が、特定保健用食品としての認可を取得。
商品に「中性脂肪を低下させる」作用の表示が可能となりました。
医薬品と同じ成分が、特定保健用食品に認められたのは、EPAが初めてのことです。
これはEPAが一般の化学薬品と違って、高い薬効をもちながら、食品としても非常に安全なものであることを示しています。
本書の内容が、熟年生の知的食生活の一助になることを願っています。
目 次 —— 第1章 現代人の強い味方「EPA」 ・EPAは体内で合成できない脂肪酸 ・魚ばなれの食生活でEPAが不足 ・EPAは細胞レベルから体質を改善 ・魚を毎日食べると寿命が延びる 第2章 心臓を元気にする特効食品 ・イヌイットに心臓病が少ない理由 ・突然死のリスクが魚食で81%低下 ・EPAの摂取で「心臓死が減った」 ・血液をサラサラにし、血栓を防ぐ ・中性脂肪を減らして動脈硬化を防ぐ ・虚血性心疾患のリスクを一掃 〈コラム〉EPA含有飲料が“トクホ”に認定 第3章 アレルギー・炎症にも有効 ・アレルギーも、EPA不足が関与 ・アトピー性皮膚炎にここまで効く ・慢性関節リウマチの症状を緩和 ・難病の炎症性大腸炎にも期待 〈コラム〉EPAとDHAの違い 第4章 こんな病気にもEPAを ・がんの予防にEPAは大きく貢献 ・閉塞性動脈硬化症の特効食品 ・脳梗塞の予防効果も立証ずみ ・EPAは脳や精神疾患にも有効 ・認知症対策にもEPAは強い味方 〈コラム〉EPAの上手な摂取法 【ハート出版ふるさと文庫】中性脂肪を減らし、心臓を元気にするEPA
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